2009年01月04日
寒い季節になると鼻水を垂らして連れてこられるねこちゃんが増えてくる。本格的に寒くなってくると、気温の低下や空気の乾燥によって病気への抵抗力が落ちてしまい、ウィルスに感染しやすくなるためだ。
一般に「ねこ風邪」と呼ばれるものであるが多くはカリシウィルス、ヘルペスウィルス、クラミジアなどの感染が原因となる。ウィルスの感染によって起こる伝染病のため、お家に多くのねこちゃんが生活している場合、次々に同じ症状の子が連れてこられることも少なくない。
主な症状としては目やに、鼻水やくしゃみがはじめに出てくることが多い。そこから発熱などのために食欲が落ちてくる。もちろんそのままだと免疫力もさらに低下してしまい、ますます症状は悪化する。肺炎などを起こして命の危険性も出てくることもある。
治療としては早期に抗生物質などの点眼・点鼻などをしっかりと行い、栄養をしっかりと取りながら必要に応じて抗ウィルス作用のあるインターフェロンの投与を行い体力、免疫力をしっかりと保つことが中心となる。
また、一度治ったからといっても安心は出来ない。一度感染してしまえばヒトのヘルペスウィルスなどと同様に神経細胞などにウィルスが潜んでいて体力が落ちてきたときに再び症状が出てしまうこともある。
これら「ねこ風邪」と呼ばれるものはワクチンで予防することが出来るためしっかりと予防接種をしておくのが何よりの治療だろう。
もちろん、この「ねこ風邪」以外にも鼻水などを出す病気はある。たとえば真菌(カビ)の感染で起こるクリプトコッカス症やリンパ腫などの腫瘍が鼻の中に出来てしまうことだってある。これらは放置しておくと確実に命にかかわる病気だがはじめに出てくる症状は「ねこ風邪」と変わりない。
予防できるものはしっかりと予防する、そして軽くても症状が出てきたら出来るだけ早く対処してあげることがなによりも大切だ、ということは言うまでもない。